「面影」に会いに、三井記念美術館へ行って来ました。
「面影」は、室町時代の能楽師、金剛右京久次(別名孫次郎)によって制作されました。
若くして亡くなった愛しい妻の面差しを写したと伝えられているそうです。
驚きました。
生きている。
「おもかげ」じゃない。
私は、私。
そんな言葉が聞こえてきそうです。
左右の目や、口角の異なる高さ、眼球の丸みを包む柔らかな皮膚、語り出しそうな唇、ふくよかな顎の線。
淋しげでいて、どこか幸せそうな。
幸せそうでいて、憂いを含んでいるような…。
様々な表情が見え隠れします。
肖像面、という枠を超えて新しい魂が宿っているように感じました。
孫次郎は、この「面影」で能を舞ったのだろうか…そんな事を考えながら。
http://www.mitsui-museum.jp/
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