1月に、「円満井会定例能」にて能『邯鄲』のシテを勤めさせて頂きます。
能をはじめて御覧になる方でも楽しめる曲と思いますので、是非ご高覧頂けますと幸いです!
『邯鄲』の他に能『巴』森瑞枝・能『玉葛』本田芳樹・狂言『附子』山本泰太郎(大蔵流)・仕舞が6番ございます。
【円満井(えんまい)会定例能】
日時:1月26日(土)
開演12時半(開場11時半)
※能『邯鄲』は15時15分頃より
於 :矢来能楽堂
(東京都新宿区矢来町60)
東京メトロ東西線「神楽坂」駅2番出口(矢来口)より徒歩5分
都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」駅A1出口より徒歩8分
チケット:全席自由席 一般5千円 25歳以下2千円
お申込:hashimoto_noh@mail.goo.ne.jp
090‐6213‐0071(柏崎)
【邯鄲-あらすじ】
中国蜀の国に住む青年盧生(シテ)は、ただ漠然と暮らす日々に悩んでいた。
ある時、楚国羊飛山に聖僧がいると聞き、自らの生きるべき道を尋ねようと旅に出る。
羊飛山への道すがら、盧生は邯鄲の里で宿を取る事に決めた。宿屋の女主人(アイ)は、盧生に羊飛山へ向かう訳を聞くと、不思議な枕の話を切り出した。その枕は、女主人が以前宿を利用した仙術使いから貰ったもので、一眠りの間に行く末を悟ることが出来るという。粟飯が炊きあがるまでと、女主人に勧められるまま、盧生は床に就いた。
突然、勅使と名乗る男(ワキ)に起こされた盧生は、帝位を譲ると告げられる。
不審に思いつつも、玉の輿に乗せられ王宮へと導かれた。喜見城も斯くやとばかり光輝く豪奢な王宮。玉座についた盧生の前には大臣たち(ワキツレ)が座を連ね、幾千幾万と捧げられた宝物は山の如くに積み上がる。夥しい数の諸侯の旗が風に棚引き天を彩る。皇帝盧生を礼拝する声は止まず、地に鳴り響く程であった。
月日は流れ、在位は五十年を過ぎた。ある日、廷臣から一千年の齢を保つという仙人の盃と酒を捧げられ、この酒で祝宴を催すことにした。長寿の盃が廻り、舞童(子方)が華を添え、盧生自らも舞い遊ぶ。まさに栄華の頂点を極めた盧生。
この歓楽の時間が永遠に続くかと思われたその時、昼と夜、春夏秋冬が同時に存在し、四季折々の草花が一気に咲き乱れる。
世界はグルグルと回転しながら吸い込まれるように消えていった。
宿屋の女主人の声に目を覚ますと、そこはもとの宿屋であった。粟飯が炊きあがったという。
今までの出来事は、全て夢であった。盧生は、この世の栄華や歓楽は、一瞬の夢のように儚いものだと悟り、「この枕こそ我が師」と満足して帰路に就くのだった。
邯鄲の枕は、心の底に眠っている欲望を写し出す鏡のような存在なのかもしれません。
この後、盧生はどのような人生を歩むのでしょうか。
↑印刷ミスで公演のスケジュールが1時間ズレて記載されておりました。
誠に申し訳ございませんでした。
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